【外壁シーリング工事って、どんな工程なの?その②】増し打ち工法(三面接着)
前回の「二面接着」に対し、今回は「三面接着」によるシーリング工事についてです。主にALCボードの場合この工法になります。工程も掲載したいと思います。
三面接着とは
ムーブメントがほとんど生じない目地の事をノンワーキングジョントといい、RC造のコンクリート打ち継ぎ目地や誘発目的、建具回りの目地などがその例です。(ALCも含まれます)そのような接合部、防水シーリングなどには三面接着によるシーリング工事がなされます。
※ムーブメントとは
目地には部材の温度差により伸縮建物の揺れ、歪みによるシーリング材に対するムーブメント(かすかな動き)が働いています。これを「ムーブメント」といいます
★図で断面図を描くとこんな感じです
三面接着によるシーリング工事工程
①シーリング部施工前の状態
うっすらとですが、ヒビがはいっています。
②マスキングテープ養生
シーリングが壁に付いてしまわないように目地の周囲にマスキングテープを貼ります。
③プライマー塗布
プライマーとは、primary(最初の)に由来する言葉で簡単に言ってしまえば最初に塗る塗料です。シーリングに関わらず外壁塗装の塗料でもプライマーはあります。要は、シーリング工事の下塗り材で、密着性を高めるものです。プライマーを塗布しないと仕上げのシーリング材が剥がれてしまいます。
⑤新規シーリング材打ち
新規シーリング材打ちです。シーリング材は2成分型を使用しております。2成分型は主剤と硬化剤を撹拌(かくはん)させて使用するものですので職人でないと扱うことができないシーリング材です。ただ、扱いが細かく難しい分、耐久性や効果はよいです。ちなみにホームセンター等で販売されているのは1成分型です。こちらは職人でなくても扱うことが可能ですが、あまり耐久性はよくないです。※三面接着の場合は旧シーリング材撤去の工程が無いので「増し打ち」となります。
⑥仕上げならし
シーリング材は打った直後はでこぼこしていますので、へらなどで綺麗にならします。
⑦シーリング完成
養生テープを剥がして完成となります。乾燥するとシーリングの部分がゴム状になります。仕上がった部分の上に塗装をしていきます。
前回に引き続き、シーリング工事のお話でした!専門的な内容で、少し難しく感じるかもしれませんが、皆さんの家に関わることですので少しでも興味を持っていただけたら幸いです。外壁塗装の際、シーリング工事はとても重要な工程です。塗り替えの際は、しっかり工事をしてもらいましょう!
- 最終更新日:2024年2月14日
- 投稿日:2017年1月10日